環境関係の業許可

エコだSDGsだと叫ばれている世の中ですが、生態系への影響や、災害防止の観点から、特定事業を実施するにあたって様々な業許可が必要となります。一例で言うと、産業廃棄物の収集・処理や、大気汚染・水質汚濁などの対策に関する許可が含まれます。以下は主な環境関連の業許可です。


1. 産業廃棄物処理業許可

  • 概要:事業活動で発生する産業廃棄物を収集、運搬、処理するための許可です。具体的には、産業廃棄物収集運搬業、産業廃棄物処分業(焼却、埋立等)の2種類に分かれます。
  • 申請場所:都道府県知事または政令市の長
  • 取得要件:適切な施設や設備、管理体制が必要で、管理者の資格や講習受講が義務付けられています。

2. 特別管理産業廃棄物処理業許可

  • 概要:感染性廃棄物やPCB廃棄物など、特別管理産業廃棄物の収集、運搬、処理に関する許可です。取り扱いには特に高い管理基準が必要とされます。
  • 申請場所:都道府県知事または政令市の長
  • 取得要件:高い管理体制や特別な処理施設の設置が求められ、厳格な安全対策が必要です。

3. 一般廃棄物処理業許可

  • 概要:一般家庭や事業所から排出される一般廃棄物(可燃ごみ、不燃ごみ、粗大ごみなど)を収集、運搬、処理するための許可です。
  • 申請場所:市町村
  • 取得要件:収集車や施設の衛生管理、作業基準を満たすことが必要です。地域の廃棄物処理計画に合致する必要もあります。

4. 大気汚染防止法に基づく特定施設の設置届出

  • 概要:工場や事業所で大気汚染物質(ばい煙、粉じん、有害物質)を排出する設備を設置・運営する場合の届出です。対象施設にはボイラー、焼却炉、溶接機などが含まれます。
  • 申請場所:都道府県または保健所
  • 取得要件:適切な排出基準を満たし、必要に応じて大気汚染防止装置を導入することが求められます。

5. 水質汚濁防止法に基づく特定施設の設置届出

  • 概要:工場や施設から公共水域や地下に排出される水が環境に影響を及ぼさないよう、排水基準に基づいて届出が必要です。
  • 申請場所:都道府県知事
  • 取得要件:排水基準を遵守するための設備の設置、日常的な水質管理や点検が求められます。

6. 土壌汚染対策法に基づく指定区域内での土地形質変更許可

  • 概要:汚染が確認された土地での掘削、盛土などを行う場合に必要な許可です。土壌汚染が健康や環境に悪影響を及ぼさないよう管理が求められます。
  • 申請場所:都道府県知事
  • 取得要件:変更工事に伴う汚染防止対策を計画し、汚染の拡散防止策を講じる必要があります。

7. 騒音規制法・振動規制法に基づく届出

  • 概要:工場や建設現場での作業が一定以上の騒音や振動を発生させる場合、事前に届出が必要です。
  • 申請場所:都道府県または市町村
  • 取得要件:規制基準に適合するための設備や運転方法を講じ、地域への影響を最小限に抑えることが求められます。

8. フロン排出抑制法に基づくフロン類の管理・点検義務

  • 概要:業務用冷凍空調機器に使用されるフロン類の点検や適切な処理を行うための管理義務です。フロンガスの漏洩防止や適正処理が義務付けられています。
  • 申請場所:届出義務が発生する場合は都道府県等に報告
  • 取得要件:フロン機器の使用者に点検と管理の責任があり、技術資格者に点検・処理を委託する場合があります。

環境関係の業許可取得に関する注意点

環境関係の業許可は、各種法令に基づき厳しい基準が定められており、違反すると罰則が科せられる場合があります。また、環境に配慮した事業運営は、企業の社会的責任(CSR)やSDGsへの貢献としても重要視されています。事前に各種基準を確認し、必要な許可や届出を適切に行うことが大切です。